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太陽光発電の仕組みとは?導入するメリットと注意点について

2020.01.27

太陽光発電のメリットや役割については、ご存知でしょうか?
発電した電気を家で使ったり売電したり、経済的なメリットを思い浮かべる方も多いと思います。

では、太陽光発電の仕組みについてはどうでしょうか?

太陽の光をソーラーパネルに集めて電気を作るというところまでは、なんとなくイメージができる方も多いと思います。
しかし、具体的な仕組みまでを知っている方は少ないかもしれません。

そこで当ページでは「太陽光発電とはどんな機能があるのか?」「太陽光発電の仕組み」などについて解説します。

太陽光発電の仕組みを理解することで、導入時に気をつけたいことにも気付きやすくなるため、太陽光発電の仕組みを知っておいて損はありません。ぜひ、参考にしてみてください。

~目次~

1、太陽光発電とは?種類や機能について
  1-1 太陽光発電には産業用と住宅用がある
  1-2 1kwあたりソーラーパネルが4枚必要
  1-3 1枚あたりのソーラーパネルの大きさについて
  1-4 ソーラーパネルには種類がある

2、太陽光発電システムが発電する仕組み
  2-1 太陽の光を集めて発電をする 太陽電池(ソーラーパネル)
  2-2 集めた電気を変換する パワーコンディショナー
  2-3 家の各場所(コンセント)へ電気を送ってくれる分電盤

3、太陽光発電システムを導入する3つのメリット
  3-1 ソーラーパネル設置で断熱効果が期待できる
  3-2 停電時でも電気を使える
  3-3 蓄電池と併用することで電気を貯めておくことができる

4、太陽光発電システムを導入する際の2つの注意点
  4-1 4年に1~2回程度の定期メンテナンス
  4-2 発電量が一定ではない

5、太陽光発電の今後の普及率って上がる?それとも下がる?

6、まとめ

1、太陽光発電とは?種類や機能について

太陽光発電とは、一言でいうと太陽の光で電気を作ってくれる製品です。

発電した電気を自分達で使うことで、電力会社の電気を利用する回数が減るので、電気代の節約が期待できるなど、経済的なメリットが得られます。

太陽の光という自然エネルギーを利用して電気を作っているので、発電時に二酸化酸素なども発生することもない、地球にも人にも優しいエコ製品なのです。

そんな魅力的な太陽光発電ですが、住宅用・産業用など色々種類があります。
ソーラーパネル自体にも種類があり、種類によって価格が違います。

ここでは、太陽光発電の種類などについて解説していきます。

1-1 太陽光発電には産業用と住宅用がある

太陽光発電は大きく分けると「住宅用」と「産業用」に分けられます。

それぞれの違いですが、発電量を表す「kw」の単位で分けられていて、10kw未満は「住宅用」10kw以上は「産業用」となっています。

「住宅用」と「産業用」の大きな違いは、設置場所と売電方法です。
「住宅用」の場合は、家の屋根に設置することが多いのですが「産業用」の場合は、ビルの屋上・工場・地面(野立て)に設置されます。

次に売電方法ですが、2019年度(2019年4月~2020年3月)までは「住宅用」と「産業用」での売電方法が違います。それぞれの売電方法の違いは以下の通りです。

太陽光発電のタイプ売電方法
住宅用(10kw未満)発電した電気を自宅で使い、使いきれなかった分を余剰電力として売電する「余剰売電」
産業用(10kw以上)発電した電気を使わずに、全て売電できる「全量売電」と「余剰売電」を選択できる

「産業用」太陽光発電で選択できる「全量売電」は、2020年度(2020年4月~2021年3月)からは廃止され「産業用」も使い切れなかった余剰電力のみを売電できる「余剰売電」のみとなります。

家庭で設置されているのは、10kw未満である「住宅用」であることがほとんどです。
もちろん「産業用」と呼ばれる太陽光発電であっても、広い土地などがあれば、設置することはできます。

「産業用」と「住宅用」はあくまで、発電量の多さを基準にして決定されているだけなのです。
使用されている機器の構成などは、ほとんど同じになります。

そのため、売電価格が高額だったころは、投資目的で企業だけではなく個人の方も「産業用」の太陽光発電を導入していました。

発電するkw数が大きくなれば、それだけ広い設置面積が必要になることは想像できると思いますが、どのくらいのソーラーパネルで、どのくらいの電気を作ることができるのかを、ここからは詳しく解説致します。

1-2 1kwあたりソーラーパネルが4枚必要

太陽光の発電量の紹介やパネルの価格で「1kwあたり○○」という表示を見たことがないでしょうか?

ですが、太陽光発電に関してあまり知らない方が「1kwあたり○○」という表示を見ても「1kwってソーラーパネル何枚分なの?」という疑問が浮かんでくると思います。

メーカーによって多少の差はありますが、ソーラーパネル1枚で平均250Wの発電量があります。
つまり、1kwとは「250w×4枚=1000w」なので、ソーラーパネル4枚分という意味になるのです。

そのため、価格相場でよくみる「1kwあたり200,000円」という表示がある場合、ソーラーパネル4枚設置するのに200,000円必要という意味になります。

ちなみに1kwあたりのソーラーパネルの1日当たりの発電量は、2.5kw~3.8kwといわれています。

4人家族の1日当たりの電気使用量は、18.5kw前後といわれているので、6kwぐらいの太陽光発電を設置すると、1日分を太陽光でまかなえる計算になります。

※あくまで計算上なので、季節や天候によって数値に違いがあることは覚えておきましょう。

1-3 1枚あたりのソーラーパネルの大きさについて

1kwがソーラーパネル4枚分とわかりましたが、次に「ソーラーパネル1枚あたりの大きさ」も気になるところです。

しかし、ソーラーパネルの大きさに決まった規定はなく、メーカーによってサイズは全然違います。

そのため、サイズは○cmですと断言することはできませんが、大体横が80cm~100cm、縦が130cm~180cmの物が多いようです。

1-4 ソーラーパネルには種類がある

ソーラーパネルは、外見を見るだけでは全て同じように見えますが、使用している素材が「シリコン系」と「化合物系」の2種類に分けられます。これらの素材で太陽光発電に最も使用される素材は「シリコン系」です。

「シリコン系」のソーラーパネルには「単結晶」と「多結晶」の2種類があり、日本で普及しているのは「単結晶」ソーラーパネルになります。

「単結晶」と「多結晶」は以下のような違いがあります。

単結晶多結晶
発電効率が高く高耐久・長寿命。住宅・小規模の商業・産業用のソーラーパネルに向いている発電効率は単結晶に劣るが、価格と性能のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れている。住宅だけでなく大規模設置にも向いている。

「住宅用」として使用されるソーラーパネルは、発電効率の高さから設置面積が狭くても、ある程度の発電量を確保できる「単結晶」が使用されることが多いです。

2、太陽光発電システムが発電する仕組み

太陽光発電とは、主に以下の3つの機器で構成されています。

太陽電池モジュール(ソーラーパネル)
パワーコンディショナー
分電盤

詳しい仕組みについては後述しますが、簡単に太陽光の仕組みを解説すると、太陽の光を太陽電池モジュールで集めて電気に変え、パワーコンディショナーで家庭内の家電に使える電気に変換します。

その後、家で使える電気に変換された電気は、分電盤を経由して各コンセントなどに電気が送られていきます。

この章では、太陽光発電の仕組みから、太陽光で使用されている機器の役割などについて詳しく解説していきたいと思います。

2-1 太陽の光を集めて発電をする 太陽電池(ソーラーパネル)

太陽電池は、ソーラーパネルと呼ばれている部分です。

ソーラーパネルの中には「n型シリコン」と「p型シリコン」という2つのシリコン半導体があります。
これらのシリコン半導体は、乾電池でいう+極(n型)と-極(p型)と思って下さい。

シリコン半導体が一定量の光を吸収することで「光電効果」という現象が起きて電気が発生します。

つまり、太陽の光がソーラーパネルに当たると2つのシリコン半導体が動き出し、電気を発生させる仕組みになっているのです。

ソーラーパネルで作られた電気を、パワーコンディショナー(パワコン)に送るまでが、ソーラーパネルの役割になります。

2-2 集めた電気を変換する パワーコンディショナー

ソーラーパネルで作られた電気は直流電気と呼ばれる電気です。
しかし、家庭用の電気は交流電気しか利用することができないので、ソーラーパネルで発電した電気のままでは使用することができません。

そこで、パワコンの出番になります。
パワコンは、太陽光で発電した直流電気を交流電気に変換してくれる、重要な仕事を行っています。

ソーラーパネルから受け取った直流電気をパワコンで受け取り、交流電気に変換後、分電盤に送るまでがパワコンの仕事です。

2-3 家の各場所(コンセント)へ電気を送ってくれる分電盤

パワコンから送られてきた電気は分電盤に送られ、家中のコンセントへ送られます。

また、太陽光で発電した電気で使い切れなかった分(余剰電力)は、分電盤から送電線に送られ、売電される仕組みになっています。

太陽光発電で電気が使えるまでの仕組みをまとめると以下のようになります。

1.ソーラーパネルで太陽の光を集め発電する
2.パワコンを経由して家庭内で使える電気に変換する
3.変換した電気を分電盤が受け取る
4.分電盤から各コンセントへ電気を送る

3、太陽光発電システムを導入する3つのメリット

太陽光で発電した電気の売電価格は、年々下落傾向にあります。
FIT制度の終了などで「2019年問題」と、大きな注目を浴びています。

FIT制度とは、固定価格買取制度と呼ばれていて、電力会社が一定の期間(家庭用で10年)は、太陽光で発電した余剰電力を、同じ価格で買い取ることを国が保証している制度です。

しかし、2019年にFIT制度の期間が満了する家庭が多く、FIT制度終了後の余剰電力の売電価格が大幅に下落しているので、太陽光発電システムに魅力を感じなくなったという方もいるかもしれません。

ですが、太陽光発電のメリットは売電だけではく、売電より大きなメリットが残されています。
大きなメリットとは「節約」と「もしもの時」です。

この章では、太陽光発電のメリットについて詳しく解説していきます。

3-1 ソーラーパネル設置で断熱効果が期待できる

通常ソーラーパネルを設置する場合、家の屋根に設置するご家庭がほとんどですが、屋根に設置することである程度の断熱効果が期待できるというメリットがあります。

夏は、ソーラーパネルを設置している面の屋根には直接太陽が当たらないため、屋根から熱が入りにくくなるという訳です。

そのため、エアコンが少し効きやすくなったりするので、思わぬところで断熱効果を得ることができます。

3-2 停電時でも電気を使える

太陽光発電の存在感が大きくなるのはやはり、災害時だと思います。
災害が発生して電気が使えなくなった場合、太陽光発電があることで日中は電気を使うことができます。

しかし太陽光発電だけでは、太陽の光が届かない夜間や、天気が悪い時は電気が使えないという問題があります。

ですが、蓄電池と併用して使うことで太陽光が発電できない時の問題を解決してくれます。

災害時に太陽光発電と蓄電池を併用したほうが良い理由について、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にすることで理解を深めることができます。

3-3 蓄電池と併用することで電気を貯めておくことができる

蓄電池とは、電気を蓄えることができるエコ製品です。

蓄電池単体で使う場合は、夜間の電気料金が安くなる時間帯に電気を充電して、電気料金が夜間よりも倍近く高い日中に使う、という流れが一般的になります。

太陽光で発電した電気のうち、使いきれなかった余剰電力を蓄電池へ充電することで、太陽光が発電できない夜や、天気が悪い日などに蓄電池の電気を使うことができます。

また、災害が発生して停電が起きた時は、電力会社の電気が使えなくなります。

そんな時に、太陽光発電と蓄電池を併用して使うことで、日中は太陽光で発電した電気を使い、日中に使いきれなかった余剰電力を蓄電池へ充電することで、夜間も継続して電気を使うことができるようになります。

太陽光発電と蓄電池を併用して使うことで、万が一の停電に強い家を作ることができます。

蓄電池がどんな物か興味があるという方は、以下の記事を参考にすることで理解を深めることができます。

4、太陽光発電システムを導入する際の2つの注意点

太陽光発電の仕組みやメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
太陽光発電と蓄電池を合わせて使うことで、災害時の備えになるだけではなく経済的メリットも得られます。

しかし太陽光発電を導入する場合、知っておきたい注意点が2つあります。

この章では、太陽光発電を導入する際の注意点について解説していきます。

4-1 4年に1~2回程度の定期メンテナンス

太陽光発電は、1度設置してしまえばほったらかし、というわけにいきません。
4年間に1~2回程度の定期メンテナンスを行う必要があります。

太陽光発電は、太陽の光を効率良く集めて発電する必要があるため「住宅用」の太陽光発電は、屋根に設置することが多いです。

ですが、屋根に設置すると雨で水垢が付いたり、鳥の糞で汚れたりして発電量が低下する場合があります。
他にも太陽の強い光や、熱を浴びている配線関係も確認しないといけません。

発電量をしっかりと確保して使いつづけるためには、定期的なメンテナンスが必要になります。

「太陽光発電を設置してるけどメンテナンスしてない」という方は、お気軽に「省エネプラス」へお問い合わせください。

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4-2 発電量が一定ではない

太陽光発電は、太陽の光を吸収して電気を作ります。
そのため、太陽が顔を出していない日は、発電をすることが難しい時もあるのです。

また、くもりや雨が続いた時などは発電量が安定しないことがあります。
天気に左右されることが多いため、発電量は常に一定ではありません。

太陽光には天気という弱点がありますが、発電した余剰電力を蓄電池へ蓄えておくことで、太陽光の弱点をフォローして電気を使うことができます。

太陽光発電と蓄電池を併用して使う理由について詳しく知りたいという方は、以下の記事を参考にすることで理解を深めることができます。

5、太陽光発電の今後の普及率って上がる?それとも下がる?

太陽光発電は、売電価格の引き下げが続いているので、人気がなくなりそうなイメージがしますよね?

しかし、需要は年々増えており蓄電池同様、今後も太陽光発電の普及率は上昇していくといわれています。

確かに売電価格の引き下げが続き、売電収入を得ることは難しくなってきていますが、太陽光で発電した電気を使うことで電力会社の電気を使う回数が減るため、電気代が安くなるという経済メリットがあります。

他にも、近年の日本では大型台風の接近や地震などで、災害が多発している影響もあり「万が一の停電時に備えておきたい」という声が高まっています。

今後は、売電収入を得るための導入ではなく「万が一の備え」「電気の自給自足化で電気代削減」など、家族を守るために導入する方が増えていくことが予想されています。

6、まとめ

今回の要点をまとめると以下の通りです。

太陽光発電は大きく分けて太陽電池(ソーラーパネル)・パワコン・分電盤の3つの機器で構成されている
太陽光が発電する仕組みは、ソーラーパネル内部の2つの半導体が光を吸収することで発生する「光電効果」で、電気が発生する
1kwは、ソーラーパネル4枚分(1枚が250w時)
ソーラーパネル1枚の大きさはメーカーによって異なる
太陽光発電は、蓄電池と併用することで経済的なメリットを最大限に得ることができる
太陽光発電の普及率は今後も伸びていくことが予想されている

太陽光発電に使用されている部品や素材は、非常に複雑な物を使っている場合もありますが、仕組み自体は非常にシンプルです。

仕組みを理解することで「太陽の光が当たりやすいところに設置すべき」「我が家は4kw程度設置できそう」など、色々と気付ける部分が多いと思います。

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