家庭用蓄電池の設置費用や費用対効果を高めるポイント、メリットやデメリット徹底解説
2022.09.08
電力供給量の逼迫により、日々節電が呼びかけられている日本において、家庭用蓄電池を設置するかどうか検討されている方が最も気になるのが費用対効果ではないでしょうか。せっかく高い費用をかけて設置しても結果的にコストが高くなってしまうなどという致命的な失敗は誰もが避けたいはずです。
そこでこの記事では、家庭用蓄電池の設置費用をはじめ費用対効果を高めるポイント、さらには家庭用蓄電池を設置するメリットやデメリットについて徹底解説していきます。
~目次~
1、家庭用蓄電池の費用対効果は?
1-1.家庭用蓄電池の設置にかかる初期費用
1-2.家庭用蓄電池の運用にかかるランニングコスト
1-3.夜間電力を使用するとどれだけ得になるか
1-4.家庭用蓄電池の寿命までに元は取れるのか
1-5.太陽光発電の売電制度とは
2、家庭用蓄電池の費用対効果を高めるためのポイント
2-1.ランニングコストをきちんと把握する
2-2.設置費用と発電量のバランスを取る
2-3.各地方自治体による補助金制度を活用する
2-4.保証制度及びアフターフォローがきちんとしている業者に依頼する
3、家庭用蓄電池を導入するメリット
3-1.電気料金の削減効果
3-2.災害時等の予期しない停電時にも電気を使用できる
3-3.電力不足の社会に貢献できる
4、家庭用蓄電池の導入デメリット
4-1.購入価格が高額である
4-2.家庭用蓄電池を設置するスペースを確保する必要がある
4-3.経年劣化は避けられない
1、家庭用蓄電池の費用対効果は?
まずはじめに、この項目では下記5つの視点で最も気になる家庭用蓄電池の費用対効果の核心に迫っていきます。
● 1-1.家庭用蓄電池の設置にかかる初期費用
● 1-2.家庭用蓄電池の運用にかかるランニングコスト
● 1-3.夜間電力を使用するとどれだけ得になるか
● 1-4.家庭用蓄電池の寿命までに元は取れるのか
● 1-5.太陽光発電の売電制度とは
1-1.家庭用蓄電池の設置にかかる初期費用
家庭用蓄電池の設置にかかる初期費用には、機械の購入費をはじめ設置工事費や電気工事費などが含まれます。もちろん設置容量やメーカー、設置業者によって大きく変動するため、1社ではなく複数社から相見積もりをとって、比較してみることが大切です。
目安としては、4kwhの比較的小さいサイズであっても少なくともおよそ800,000円以上、それ以上の中〜大容量かつ高品質のものになるとおよそ1,500,000〜3,000,000円くらいまではかかると考えると、予算としてはおよそ800,000〜3,000,000円の間になるものと覚悟しておく必要があります。
さらに価格について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください
1-2.家庭用蓄電池の運用にかかるランニングコスト
家庭用蓄電池は初期費用だけ捻出すればその後は費用が全くかからないというものではないので注意が必要です。特に長期運用を前提としていることから、定期的なメンテナンスをはじめパワーコンディショナーの交換費用などある程度のランニングコストがかかることを頭に入れておきましょう。もしかしたら場合によっては、修理が必要となることもあるかもしれません。
△メンテナンス費用
家庭用蓄電池は現時点で推奨のメンテナンス情報はありませんが、太陽光発電の場合には、経済産業省によって定期点検を4年に1度の頻度で実施することが推奨されており、おそらく購入したメーカーや設置業者などから定期的なメンテナンスのアナウンスが来るものと思われます。
メンテナンス費用の相場の目安としては1度につきおよそ20,000〜40,000円程度と言われており、仮に経済産業省の推奨通り8年で2度メンテナンスすると考えると、およそ40,000〜80,000円程度はかかるものと思っておきましょう。
△パワーコンディショナー交換費用
パワーコンディショナーとは、パワコンやPCS(Power Conditioning System)とも呼ばれることがあります。太陽光発電をはじめエネファームやエコウィルなどといった家庭用発電で発生する直流の電気を交流に返還することにより、家庭用の電気機器や蓄電池への充電など、安定した出力に整える機械のことです。
このパワーコンディショナーの寿命はおよそ10〜15年程度と言われており、長期運用の間には劣化して交換が必要となることも出てくるかもしれません。
パワーコンディショナーの交換には1度でおよそ200,000〜300,000円と言われてはいますが、業者によって幅があります。しかし、設置時に長期保証がついていることもあるので、あらかじめ保証がある程度充実しているものを選択するというのもおすすめです。
1-3.夜間電力を使用するとどれだけ得になるか
電力会社によっては、日中と比較すると夜間電力が安くなるプランが存在しています。例えば東京電力のスタンダードプランと夜トク8プランを比較してみると、1kWh当たりおよそ9.41円程度の差があるため、料金プランをきちんとシミュレーションすることも大切です。
1-4.家庭用蓄電池の寿命までに元は取れるのか
後述しますが、家庭用蓄電池を設置する際には、各地方自治団体の補助金制度を活用することができます。しかし、その補助金を利用したとしても、設置費用を回収するまでにおよそ10年以上かかるというのが現状であり、家庭用蓄電池の寿命で劣化してしまって買い換える必要などが出てきてしまえば、元は取れないと考える方も少なくありません。
しかし確かに家庭用蓄電池の寿命はおよそ15年ほどとは言われているものの、15年経ったからすぐ壊れたり、使えなくなったりするわけではなく、蓄電容量が徐々に減少していくというイメージで捉えてください。身近なもので例えるとスマートフォンなどの充電が年々減り方が早くなるのと同じようになるということであり、すぐに買い替えが必要となるわけではないので、そういう面では家庭用蓄電池の寿命までに元は取れると言えるでしょう。
さらに家庭用蓄電池の寿命について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください
1-5.太陽光発電の売電制度とは
太陽光発電であれば、発電した電気のうち、使用せず余った分を電力会社に売電することができる制度があり、FIT制度(固定価格買取制度)では、FITの認定を受けてから10年の間固定価格で売電することができ、従来の価格よりも高く設定されていることから、主要な収入源となるため、初期費用を回収しやすいという特徴があります。
2、家庭用蓄電池の費用対効果を高めるためのポイント
家庭用蓄電池の費用対効果をより高めるためのポイントとしては、次の4つが挙げられます。
● 2-1.ランニングコストをきちんと把握する
● 2-2.設置費用と発電量のバランスを取る
● 2-2.各地方自治体による補助金制度を活用する
● 2-2.保証制度及びアフターフォローがきちんとしている業者に依頼する
2-1.ランニングコストをきちんと把握する
前述した通り、家庭用蓄電池を設置する際には、設置にかかる初期費用だけに目が向きがちですが、メンテナンス費用やパワーコンディショナーの交換費用、時には万が一故障してしまった時に修理費用などがかかることがあるので、ランニングコストについてもきちんと把握しておくことが大切です。
2-2.設置費用と発電量のバランスを取る
発電量によって、設置費用が大きく変動するため、どれくらいの電力量を確保するべきなのかを検討することが大切です。設置費用をはじめ、設置のために確保する面積や、見込み発電量をきちんと考慮して、設置計画を立てることが必要となります。
2-3.各地方自治体による補助金制度を活用する
各地方自治体によって、家庭用蓄電池の補助金制度が制定されています。この制度を上手に利用できれば、初期費用の負担を軽減することが可能となります。ただし、補助金制度の内容をはじめ、対象となる設備、具体的な金額設定は地方自治体によって異なるだけでなく、募集期間が決まっていたり、あるいは制度自体が既に終了してしまったりすることもあるため、事前にリサーチしておきましょう。
2-4.保証制度及びアフターフォローがきちんとしている業者に依頼する
家庭用蓄電池は、長期運用が前提の設備であるため、保証制度及びアフターフォローがきちんとしている業者に依頼することが大切です。保証期間などは業者によって異なりますが、万が一、保証期間内に故意でない不良や故障が発生してしまった時に、費用を負担しないで済む場合があるので、事前にチェックしておきましょう。
3、家庭用蓄電池を導入するメリット
そもそも家庭用蓄電池を設置する方が増えている背景には、導入するに値する次の4つのメリットが存在しているからに他なりません。
● 電気料金の削減効果
● 災害時等の予期しない停電時にも電気を使用できる
● 太陽光発電と併用することで相乗効果を生み出すことができる
● 電力不足の社会に貢献できる
3-1.電気料金の削減効果
家庭用蓄電池の設置によって、最も恩恵を受けることができるのは、電気料金の削減効果であると言われています。前述した通り、電力会社によって、日中と夜間の時間帯によって電気料金の設定が大きく変わるプランが存在しています。
そのため、一般的な従量電灯(電気料金が時間帯にかかわらず一定)のプランで契約するのではなく、時間帯電灯(夜間などの時間帯に電気料金がやすくなるなど)のプランで契約することで、日々の電気料金を安くすることができるのです。
3-2.災害時等の予期しない停電時にも電気を使用できる
近年家庭用蓄電池が注目を浴びるようになった理由の1つとして、2011年3月に発生した東日本大震災による電力供給の休止が挙げられます。また、2022年6月にも電力供給量の逼迫により、日本政府から節電の呼びかけもあり、以前よりも格段に電力については不安が付き纏うようになりました。
このことからも、予期しない突然の災害などによる停電や、電力供給量が不足するなどによって、居住地域が停電してしまっても、家庭用蓄電池を設置しておくと、蓄電した電気を利用しながら停電の復旧を待つことができ、暖房の必要な真冬や冷房が必要な真夏、状況が把握しづらい真夜中であっても比較的安全を確保することができるのです。
3-3.太陽光発電と併用することで相乗効果を生み出すことができる
家庭用蓄電池は、太陽光発電と連動させることによって相乗効果を期待することができます。太陽光発電の最大の特徴としては、日照のある日中しか発電できないということですが、太陽光発電によって発電した電力を家庭用蓄電池に蓄電しておけば、夜間に電気を使用することができます。
また、前述した通り、太陽光発電であれば、売電制度を上手に活用することで、収入源の1つとして期待することもでき、一石二鳥であると言えるでしょう。
3-4.電力不足の社会に貢献できる
日本政府が太陽光発電や家庭用蓄電池を推進している背景には、電力不足という課題があるからです。そのため、家庭用蓄電池を設置すると、電力会社の消費電力の削減に貢献することができ、社会に貢献することにも繋がります。
4、家庭用蓄電池の導入デメリット
これまで家庭用蓄電池の設置に関してのメリットについて解説してきましたが、もちろんデメリットが全くないというわけではありません。家庭用蓄電池を設置しようと考える場合には、下記3つのデメリットについてもきちんと押さえておきましょう。
● 購入価格が高額である
● 家庭用蓄電池を設置するスペースを確保する必要がある
● 経年劣化は避けられない
4-1.購入価格が高額である
家庭用蓄電池を設置する際、最大のネックとなるのが、購入価格が高額であるということです。前述した通り、サイズやメーカー、業者などによっても大きく変動しますが、予算としてはおよそ800,000〜3,000,000円の間で想定しておくことが必要です。
4-2.家庭用蓄電池を設置するスペースを確保する必要がある
家庭用蓄電池は意外と大きく、仮に屋内型の比較的小型なものであったとしても、一般的なエアコンの室外機くらいのサイズがあります。さらにこの場合の重量としてもおよそ50〜160kg程度となっています。
もし屋外型であれば、一般的なエアコンの室外機2基、重量もおよそ100〜270kg程度となっており、スペースの確保に苦労するかもしれません。
その上、家庭用蓄電池の設置の際には、消防法及び火災予防条例の規制を受けてしまうことから、点検スペースの確保が必須となり、機械のサイズ+1mを保持する必要があるので注意してください。
4-3.経年劣化は避けられない
こちらも既に述べた通り、家庭用蓄電池の寿命はおよそ15年程度と言われており、寿命を過ぎても使用できますが、徐々に蓄電容量は減少していってしまいます。長期運用が前提とはいえ、メンテナンスや修理、場合によっては買い替えなどが必要となるものであるという認識のもと設置することが大切です。
5、まとめ
家庭用蓄電池の費用対効果ということで、この記事では、家庭用蓄電池の設置費用や費用対効果を高めるポイント、メリットやデメリットを徹底解説してきました。家庭用蓄電池を設置するには初期費用及びランニングコストがある程度かかる前提で、各地方自治体による補助金制度を活用したり、電力会社が設けている時間帯電灯の料金プランに変更したり、太陽光発電と併用したりと、様々な手法で費用対効果をアップすることが可能です。
災害時などにも電力を使用できるメリットがあることからも、長期的に見て、家庭用蓄電池を設置しておくと様々な恩恵を受けることができるでしょう。
電力不足の日本において、安定して安く電力を利用できるように、家庭用蓄電池の設置を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
当社「省エネプラス」でも、蓄電池・太陽光発電の販売・施工を行っています。
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