蓄電池の訪問販売は危険!?実際にあったトラブル事例と対応策
2020.05.13
皆さんは、訪問販売と聞くとどんなイメージを持っていますか?
● 何時間も居座って、意地でも契約を行わせようとする
● 訪問販売は信用できない
● 訪問販売は商品を高額で売ってくる など
悪いイメージを持っている方が多いかもしれませんね。
しかし、すべての訪問販売が悪質というわけではありません。
一部の訪問販売店が、悪質な手法で販売を行っているため、悪いイメージが広がっているのです。
近年「災害時の備え」や「経済効果」があることから、高い注目を浴びている蓄電池も、訪問販売が積極的に行われています。
これから蓄電池の導入を検討している方にとっては「蓄電池の訪問販売は断った方がいいの?」と不安を感じるかもしれません。
ですが、安心してください。悪質な訪問販売には「ある特徴」があります。
この記事では「悪質な訪問販売の特徴」や「契約を撤回する方法」などについて、詳しく解説していきます。
~目次~
2、【注意】こんな訪問販売には気を付けて!
2-1.値引き価格などキャンペーンを強調する
2-1-1.蓄電池の設置工事費無料には注意
2-2.見積書を渡してくれない
2-3.考える時間を与えない
3、蓄電池を購入した後にキャンセルしたい場合は「クーリングオフ」
3-1.クーリングオフの注意点
3-1-1.クーリングオフの通知方法
3-1-2.クーリングオフの適用期間
3-1-3.クーリングオフの効果が発生するタイミング
4、訪問販売でのトラブルを避けるには
4-1.蓄電池の価格帯を調べてみる
1、実際にあった蓄電池の訪問販売トラブル事例
実際にどんな手口で、購入者を騙すのか事例を紹介します。
以下のトラブルは、平成19年に太陽光発電システムを導入しているご家庭で起きた、トラブルの事例です。
トラブルの概要は次の通り。
● 平成19年11月に太陽光発電システムの訪問販売業者(以下:業者)が訪問。
● 業者側は提示したシミュレーションを見せながら「月8,000円の経済効果」があることを1時間以上に渡って説明し、購入者はこの説明を信じて「毎年無料点検が受けられる会員の契約」と「195万円の蓄電池の購入契約」を行う。
● しかし、実際の経済効果は業者が話した説明とは違い、4,000円だった。さらに、業者が説明していた毎年行われるはずの無料点検も実施されない。
● 4~7年に1回バッテリー交換が必要で、その交換費用が80万になることを購入後知った。(購入前に説明はなし)
結果は、4,000円と一定の経済効果があったことを踏まえ「蓄電池の撤去作業を訪問販売者側が全額負担する」ことと「購入者に139万円の返金」で和解が成立。
設置からしばらく経過しており、多少の経済効果もあったため、全額返金ではありませんでしたが「返金」と「撤去費用は業者負担」だったので、泣き寝入りという最悪の結末だけは避けることができました。
この販売業者は、保証内容などの重要な説明をしていないだけではなく、約束している無料点検も行っていません。
飛び込みでの訪問販売を含めて、すべての訪問販売がこのような悪質なことを行っているわけではありませんが、蓄電池が注目を浴びているため、詐欺まがいなことを行う悪質な販売業者がいるのも事実です。
2、【注意】こんな訪問販売には気を付けて!
悪質な訪問販売の目的は「お客様に価値があるもの」を提供するのではなく「どれだけお金を払わせることができるか?」ということしか頭にありません。
そのため、お客様に蓄電池をご提案する際も、不自然な対応が目立ちます。
● 値引き価格などを過度に強調する
● 見積書を渡さない
● 考える時間を与えず即契約を求める
これから「悪質な訪問販売の特徴」を順番に詳しく解説していくので、1つでも当てはまる場合は、安易に契約を行わないように気をつけてください。
2-1.値引き価格などキャンペーンを強調する
やたらと「期間限定値」や「〇〇無料」などを強調する訪問販売には、警戒してください。
真っ当な訪問販売なら、蓄電池の提案に来ているはずなのに、性能や具体的なシミュレーションを提示しないうちに、キャンペーンばかりを強調することはありません。
まずは「蓄電池の魅力や性能」「導入することで得られるメリット」などを紹介するはずです。
典型的な例ですが、次のようなキャンペーンを提示してきます。
● 工事費無料
● 「今週」また「本日限り」など期限が極端に短い割引キャンペーン価格
蓄電池の割引も一見するとお得感を感じますが、そもそも本体価格を高額に設定していることが多いです。
そのため、割引された価格でも相場価格より高い場合が多く、結果的に損をしていることになります。
2-1-1.蓄電池の設置工事費無料には注意
悪質な訪問販売者が使う手口として代表的といえるのが「蓄電池の取り付け工事を無料にする」というキャンペーンです。
工事費無料とアピールしていますが、実際は無料ではありません。
太陽光で発電した電気を売電して得たお金を、ローン返済に充てる仕組みになっています。 そのため、完全無料ではなく「工事費用の手出しはないよ」という意味になるので、注意してください。
手出しはしていませんが、実際は自分達で発電した電気を売電して得たお金で、工事費用と蓄電池の代金を払っているのです。
「無料(タダ)より高いものはない」といいます。甘い言葉には十分に気を付けてください。
他にも、売電する分だけ蓄電池へ充電する電気量が少なくなるため「電気代が安くなる」という、経済効果が薄くなるというデメリットもあります。
本来かかる工事費用が無料になるため「今すぐに契約しないと」という気分になってしまうものです。
ですが、ちょっとだけ冷静に考えてみてください。
「取り付け業者の人件費や、利益はどこからでるの?」という疑問がでてきませんか?
訪問販売を行っている会社が、お客様の代わりに「取り付け業者に費用を支払う」というのは考えにくいです。
そのため「工事費用が無料」を推してくる訪問販売者には、次の2つのことを確認してみてください。
● なぜ、設置業者の利益になる工事費用が、無料になるのか?
● 取り付け工事費用は、どこから補填されるのか?
恐らく、利益が第一の悪質訪問販売者では、しっかりと答えることはできないでしょう。
2-2.見積書を渡してくれない
悪質な訪問販売を行う会社は、資料や見積書をもって帰ろうとすることが多いです。
蓄電池に関する資料や見積書は、お客様にとって他社と比較する重要な判断材料になります。
決め手となる重要な書類を、お客様に渡さないといのうはなぜでしょうか?
絶対とは言い切れませんが、次のようなことが考えられます。
● 記載してある見積書の金額などが他社より高額
● シミュレーションなどが記載してある蓄電池の資料に、ウソの記述がある
見積書や、資料をお願いしてもくれない場合は、警戒しておいたほうが良いでしょう。
2-3.考える時間を与えない
割引キャンペーンを紹介した後に「今日契約しないと、もうこの値段では買えませんよ」「他社では、ここまで安くすることはできませんよ」など、考える時間を与えずに、契約を迫る業者は危険です。
訪問販売の話だけを聞くと、今すぐ契約しないと損をしてしまうように聞こえます。
ですが、惑わされずに冷静に思い返してみてください。
● 保証内容や期間など、重要な部分の「説明をしない」または「曖昧」
● 「おすすめ」とだけ言われて、ライフスタイルに合わせた蓄電池を提案しない など
曖昧な説明をされている部分がないでしょうか?
もし、訪問販売者の説明で思い当たる節があるなら、契約を急がされても、お断りするのが無難です。
また、消費者を守る法律である「特定商取引法」に、購入の意思がない消費者に対して、再度訪問販売を行うことは、法律で禁止されています。
購入の意思を伝えたにもかかわらず、何度も訪ねてくる悪質な訪問販売に悩んでいる方は「消費者庁」や「国民生活センター」に相談をしてみてください。
3、蓄電池を購入した後にキャンセルしたい場合は「クーリングオフ」
訪問販売から蓄電池を購入して「やっぱり辞めたい」と思った場合、一定期間内であれば「クーリングオフ」が適用されます。
クーリングオフとは、契約書にサインをした後でも一定の期間内なら、契約の撤回を行うことができる制度のことです。
購入する方法によって期間が異なりますが、訪問販売の場合は、8日間がクーリングオフの期間になります。
契約を撤回する理由も「気が変わった」などの理由であっても適用され、解約違約金などの金銭的な支払い義務もありません。
クーリングオフは、消費者を悪質な会社から守ってくれる、強力な救済制度になります。
悪質な訪問販売者から「蓄電池を強引に購入させられた」「ウソの内容を信じて契約してしまった」というような場合、期間内であれば、無条件で契約を撤回することができます。
「クーリングオフ」は蓄電池を始め、様々な契約に適用されるので、自分の身を守るためにも覚えておくのがおすすめです。
3-1.クーリングオフの注意点
クーリングオフを行う前に、次の3つを確認しておきましょう。
● 通知方法
● 適用期間
● 効果が発生するタイミング
3-1-1.クーリングオフの通知方法
クーリングオフの通知方法は、口頭で伝えることも可能です。
しかし「言った」「言わない」といったトラブルになるため、書面(はがき等)で送るのが良いでしょう。
クーリングオフは、行政書士などで代行をお願いするのが安心ですが、自分で通知内容を書いて送っても問題ありません。
クーリングオフの通知を記載する場合は、
● 契約した日
● 商品名
● 金額
● 販売会社と担当者名
などを記載しましょう。
【クーリングオフ記載例】
出典:国民生活センター
自分で記載して送る場合は「特定記録郵便」や「簡易書留」など、送ったという記録が残る方法で相手側に送るようにしましょう。
また「詳しい書き方や、手続き方法がわからない」場合は「お近くの消費者センター」で相談することができます。
訪問販売のクーリングオフの期間は8日間。
あまりゆっくりと構えておくことはできないので、すぐに相談することをおすすめします。
3-1-2.クーリングオフの適用期間
クーリングオフの期間は8日間以内とお伝えしました。
ですが「いつから数えて8日間なのか」正確に知っておく必要があります。
これは契約書などの書類を受け取った日を1日目と数えます。
大体は、契約をした日に契約書などを受け取るはずなので、契約した日が1日目となります。
クーリングオフの期間ですが、例外があり次のような場合は8日以上経過していても、クーリングオフが適用される可能性が高いです。
● 契約書にクーリングオフについて記載がない
● 法律で定められている事項が記載されていない
他にも「クーリングオフができない」「脅しなどの圧力を掛けてきた」といった、妨害行為があった場合は、8日以上経過してもクーリングオフを適用することができます。
3-1-3.クーリングオフの効果が発生するタイミング
休日を挟んだり、期限最終日に発送したりすると、クーリングオフの期限が過ぎることがあります。
ですが、クーリングオフは期限内に通知を送れば問題ありません。
つまり、相手側に到着する日が8日間ではなく、通知を送るのを8日以内に行えば良いという事です。
4、訪問販売でのトラブルを避けるには
訪問販売のトラブルを避けるためには、大事なことは「すぐに契約をしない」ことが大切です。
どんなに魅力を感じても「即決」はせずに、一度冷静に次のようなことを考えたり、思い返したりしてみてください。
● 蓄電池を導入することで、どんなメリットがあるのか?
● 訪問販売者は、蓄電池の保証内容などの説明を行ったか?
● アフターフォローはしっかり行ってくれるのか?
● 価格や、シミュレーションの値は適正なのか? など
色々と考えて、それでも欲しいと感じた場合は「一度、家族で相談する」ことを伝えて、訪問販売者に日を改めてもらうのが良いでしょう。
繰り返しになってしまいますが、家族に相談する旨を伝えた時に「この価格は今日だけです!」など、意地でも契約を迫る訪問販売は論外です。
4-1.蓄電池の価格帯を調べてみる
悪質な訪問販売が提示する金額は、高額になることも多いです。
念のため、訪問販売者が提示した見積書の値段が適正価格なのか、一度調べてみるのが良いでしょう。
ちなみに、容量や機種で差はありますが、ファミリー層に人気が高い6kwh~7.5kwhの蓄電池だと、相場は約90~160万円(工事費込み)です。
蓄電池の相場価格に興味がある方は以下の記事も参考になります。
容量や機種によって差があるので、金額だけで判断することはできませんが、見積もりが300~400万円と高額になる場合は、ほかの販売店にご相談するのをおすすめします。
5、まとめ
蓄電池の訪問販売についてのおさらいです。
● 悪質な訪問販売は、見積書・資料など証拠になるものを渡してくれない
● 訪問販売での契約を解除したいなら、8日以内に「クーリングオフ通知」を送る
● クーリングオフの手続きなどわからない場合は「消費者センター」に相談する
● 魅力的な商品だと感じても、一度冷静に考える時間を作る
蓄電池は、経済効果を得られるだけではなく、万が一停電が発生した時に、非常用電源として使えるメリットがあります。
電気代の値上がりも話題になっているため、太陽光発電と蓄電池を使って、家庭の電気を「自家消費する」という考え方が、増えているのは事実です。
そのため、悪質な訪問販売が増える可能性も高いので、より注意をしないといけません。
「蓄電池は欲しいけど訪問販売で騙されたくない」という方は、ぜひ「省エネプラス」へご相談ください。
「省エネプラス」ではこれまで、お客様からのクレーム・苦情等がなく、関西電力から優良店として認めていただき「オール電化推奨店」という称号をいただいております。
● 「蓄電池導入のご相談」
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蓄電池に関する疑問や、悩みを解決するお手伝いをさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。