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蓄電池と太陽光発電は併用すべき?メリット・デメリットを紹介

2019.12.16

家庭用蓄電池について調べていると「自宅に太陽光発電を導入しているなら蓄電池をセットで揃えるべき」だと、皆が言っているけど

蓄電池単体では使えないの?
太陽光発電と蓄電池を併用すると、どんなメリットがあるの?など

上記のような疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか?
もちろん、太陽光発電のみで使用することも、蓄電池単体で使用することも可能です。

ですが、太陽光発電と蓄電池を併用して使うことで、それぞれのメリットが上手く重なって、電気代削減など様々なメリットが期待できます。

今回は「蓄電池と太陽光発電の仕組み」から「太陽光発電と蓄電池を併用して使った場合のメリット・デメリット」について紹介します。

~目次~

1、太陽光発電(ソーラーパネル)と蓄電池の仕組み
  1-1 太陽光発電(ソーラーパネル)の仕組み
  1-2 蓄電池の仕組み

2、太陽光発電と蓄電池を併用した場合のメリット
  2-1 メリット1 蓄電池と太陽光発電の弱点をフォロー
  2-2 メリット2 蓄電池で電気を貯めて使えば電気代の節約が期待できる
  2-3 メリット3 停電時でも発電と蓄電で電気を使える

3、太陽光発電と蓄電池を併用した場合のデメリット
  3-1 デメリット1 設置スペースの確保
  3-2 デメリット2 蓄電容量によって同時使用の限界がある

4、まとめ

1、太陽光発電(ソーラーパネル)と蓄電池の仕組み

太陽光や蓄電システムと聞くと、なんとなく「太陽光発電は電気を作ってくれるもの」「蓄電池は電気を蓄えておくもの」というのはイメージできると思います。

しかし

● どうやって電気をつくるの?
● 蓄電池へ蓄えるまでの流れは?など

仕組みや役割を知っている方は、少ないのではないでしょうか?

太陽光発電と蓄電池の仕組みを知ることで、併用して使うメリットなども深く知ることができるので、この章では「太陽光発電と蓄電池の仕組み」について紹介します。

1-1 太陽光発電(ソーラーパネル)の仕組み

太陽光発電を簡単に説明すると、ソーラーパネルに太陽の光を吸収させることで、電気に変えてくれる機器のことです。

太陽光発電システムは「太陽の光を受け止めて発電するソーラーパネル」と「発電した電気を家庭用に変換するパワーコンディショナー(以下パワコン)」の2つの部品で構成されています。

下記画像のような「太陽電池」と呼ばれるものを大量に繋ぎ合わせて1つにまとめたものを、ソーラーパネルといいます。

太陽電池
出典:wikipedia

「太陽電池」と聞くと電気を蓄えることができるイメージがありますが、一般的な「電池」とは違い、太陽光発電では電気を貯めておくことはできません。

発電する(電気を作る)ことに特化した装置です。

発電して家庭の電力として使うまでの流れは、ソーラーパネル(太陽電池)に吸収された太陽の光は太陽電池内部の「半導体」と呼ばれる電子を動かし発電させています。

しかし、太陽光で発電した電気は「直流電流」と呼ばれる電流で、家庭では「交流電流」しか利用することができないので、太陽光で発電するだけでは使えません。

そこで、パワコンの出番になります。パワコンは、ソーラーパネルで発電された電気(直流)を家庭で使える電流(交流)に変換してくれる機能をもっています。

また、パワコンの主な機能は、電気を変換してくれるだけではありません。

パワコンは、パワー(電力)のコンディション(状態)を調整してくれる機械なので「蓄電池への充電」や「余った電気を売電する時」に電力を安定させるという機能もあります。

そのため太陽光発電システムは、ソーラーパネルだけを設置しても発電した電気を家庭で使うことはできず、ソーラーパネルとパワコンがセットで、太陽光発電システムとなります。

また良く誤解される部分ですが、太陽光発電は太陽の熱ではなく光を電気に変えています。

太陽の熱を電気に変える「太陽熱発電」と呼ばれる発電システムもありますが、光ではなく熱を利用する「太陽熱発電」は、湿度に弱いというデメリットもあり、日本ではあまり普及していません。

1-2 蓄電池の仕組み

詳しい説明は、専門的になり過ぎるため割愛させていただきますが、簡単に説明すると蓄電池内部にある電極(+と-)と電解液による化学反応を用いて、電気の充放電を行います。

蓄電した電気を使う場合は、負極側(-極)に貯まった電気を、電気回路を通じて正極(+極)に送ることで、使用したい家電へ電気が流れる仕組みです。

充電時は上記と逆の流れの科学反応を起こして電気を蓄電します。

蓄電池は、蓄えている電気を一定量の出力で放出するか、受け取った電気を蓄えておくという機能しかないので、太陽光発電とは違い、電気を作ることはできません。

そのため、太陽光発電から発電された電気を蓄えて、必要な時に蓄電池内の電気を利用するという使い方が多いです。
また太陽光発電システムを利用せずに、家庭内のコンセントから蓄電池へ充電できる蓄電池もあるので、蓄電池単体で利用することもできます。

蓄電池の機能や種類などをもっと詳しく知りたいという方は、以下の記事を合わせて読んでいただくことで理解を深めることができます。

2、太陽光発電と蓄電池を併用した場合のメリット

太陽光発電と蓄電池を併用して使う場合、それぞれの装置を単独で使うより、電気を効率良く使うことが可能です。

台風や地震など、自然災害による停電時に使えるというだけではなく、電気代の節約も期待できます。

この章では、太陽光発電と蓄電池を併用して利用した場合のメリットについて紹介します。

2-1 メリット1 蓄電池と太陽光発電の弱点をフォロー

蓄電池と太陽光発電を併用して使うことで、お互いの弱点をカバーして使うことができます。
太陽光発電では、ソーラーパネルに太陽の光を受けて発電してくれますが、電気を蓄えておくことができないという弱点があります。

そのため、昼間に仕事や学校で家に人がいない時間帯に発電しても、家族が帰宅する夕方や夜に発電した分の電気をほとんど使うことができないので、太陽光発電をフル活用するのが難しいのです。

また、日中は太陽の光を十分に受けているので発電できますが、日中でも天気が悪い日や夜に発電することは難しいです。

逆に蓄電池は、電気を蓄えることはできますが、電気を作ること(発電)はできないという弱点があります。
そのため、太陽光発電なしで蓄電池のみを使うことも可能ですが、蓄電池内に充電されている分を使い果たすと、再度充電をするまで使うことができません。

停電時は、充電ができないため蓄電池の充電が切れると、電気が復旧するまで使えないという状態に陥ってしまう可能性があります。

また、充電する場合も太陽光の自家発電ではないので、充電している間は電気会社から提供されている電気で充電することになります。

時間帯で電気料金が変わる料金プランの場合、料金が安い深夜に充電して、昼間に利用すると電気料金の節約が期待できますが、太陽光発電で得た電気は、完全に自家発電のため、蓄電池のみより更に節約が期待できます。

蓄電池と太陽光発電を併用することで、発電した電気を蓄電池へ蓄えて、使いたいとき蓄電池から使うというように、電気エネルギーを効率的に保存・利用ができるので、電気代節約にも繋がります。

2-2 メリット2 蓄電池で電気を貯めて使えば電気代の節約が期待できる

太陽光発電と蓄電池を併用して使うことで、毎月の電気代節約が期待できます。

太陽光発電で、発電できる1日の電気量は、天候や季節によって異なりますが、平均して1kw当たり約2.5kwh~3.8kwhといわれていて、1ヶ月の発電量は約75kwh~114kwhになります。

電気料金のプランによって1kWhあたりの電気代は異なりますが、関西電力の「従量電灯A」というプランでは、月の電力消費量が120kwh~300kwhまでは約26円/1kwhです。

「従量電灯A」の電気料金で計算すると、1ヶ月に約1,950円~2,964円分の電気を家庭で発電することになります。

例えば、太陽光発電を5kw設置しているご家庭で計算すると、季節や天気によって異なることがありますが、年間にすると約117,000円~177,840円分の電気を自宅で発電できるので、ソーラーパネルで発電した電気を蓄電池へ蓄えておけば、蓄電をした分だけ節約が期待できます。

また、ソーラーパネルで発電した電気の半分は売電して、半分を家庭で使うといった具合にライフスタイルに合わせた、電気エネルギーの運用を行うこともできます。

2-3 メリット3 停電時でも発電と蓄電で電気を使える

太陽光発電と蓄電池を併用して使うことで、停電時も発電と充電を行うことができるので、停電が長引いた時にでも電気を使うことが可能です。
停電という非常事態では、期間が長引けば長引くほど、不安や焦りが出てきます。

記憶に新しい災害では、2019年9月に千葉県で台風15号の被害で大規模な停電が発生しました。
地域によっては、停電期間が2週間以上続いた地域もあります。

この時、太陽光発電のみを設置している家庭でも、80%以上が停電時に使用する「自立運転モード」を利用して、なんとか耐えていたという調査結果もあります。(太陽光発電協会 JPEA調べ)

しかし、太陽光発電のみでは蓄電はできないため、天気が悪い日や夜には発電量が減り電気を使うことが難しいのです。

ですが、蓄電池と太陽光発電を併用して使うことで、太陽光で発電した電気を蓄えておくことができるので、天気が悪い日や夜にも電気を利用することができます。

3、太陽光発電と蓄電池を併用した場合のデメリット

太陽光発電と蓄電池を併用して使うことで、万が一の備えや電気料金の節約などが期待できるというメリットを紹介しました。
しかし、良いことばかりではなく、デメリットも少なからずあります。

具体的なデメリットを紹介していきます。

3-1 デメリット1 設置スペースの確保

太陽光発電の場合は、屋根の上に設置することが多いので、設置スペース自体を気にする必要はそこまでありませんが、蓄電池の場合は違います。

蓄電池のサイズはメーカーや蓄電容量によって様々ですが、平均して家庭用エアコンの室外機を置ける程度のスペースを確保しておく必要があります。

また、スペース確保だけではなく湿気が多い場所は避け、日当たりが強い場所では、日よけボードの設置を行うなどの対策をしないといけません。

コンパクト設計に力を入れている蓄電池メーカーも多いので、各ご家庭に合わせたサイズの蓄電池を設置することが多いのですが、事前に設置業者に調査を依頼することをおすすめします。

3-2 デメリット2 蓄電容量によって同時使用の限界がある

太陽光発電と蓄電池を併用して使うことで、発電と充電を行ってくれますが、太陽光発電には1日に発電できる量があり、蓄電池には蓄電できる容量が決まっています。

そのため、通常時のように電気を使えるというわけではありません。

蓄電池が蓄電できる容量は、機種によって異なりますが4.5kwh~10kwh以上と蓄電容量の幅は広いです。
4人家族の1日あたりの生活で、必要最低限の電気を補うのに、7kwhが1つの目安といわれています。

7kwhの容量でどの程度使えるかというと

● エアコン
● 照明
● テレビ
● 冷蔵庫
● スマホ・携帯の充電

消費電力は常に一定というわけではないので、必ずしも計算通りになるわけではありませんが、上記の家電を同時に使う場合、約5~6時間程度であれば同時に使用することが可能です。

蓄電池が蓄電できる容量には限界がありますが、昼間に太陽光で発電し、蓄電池へ充電する。

これを繰り返すことで、長期間の停電時でも発電と充電を繰り返すことができるので、使用する電力を調整することで、停電という災害を乗り越えることができます。

「蓄電池の容量計算方法」や「蓄電池の選び方」について、興味がある方は以下の記事でより詳しく解説しています。

4、まとめ

今回の要点をまとめると

「太陽光発電のみ」・「蓄電池のみ」とそれぞれ単独で使うこともできる
単独で使う場合は、発電もしくは蓄電のどちらか片方しかできない
蓄電池と太陽光を併用すると、互いの弱点をカバーし使えるので、災害の備えや電気代節約が期待できる
5kWhの太陽光発電だと、年間にすると約117,000円~177,840円分の電気をつくり、残った電気を蓄えておくことができる(電気の自給自足化)

上記の4つになります。

蓄電池と太陽光発電を同時に薦める理由は、お互いの装置が苦手な部分をカバーして、効率良く電気エネルギーの運用を行えるためです。

太陽光発電のメリットとして、売電して収入を得ることができましたが「固定買取価格」の終了に伴い、売電単価が下がってしまうので、これまで通りの売電収入を得るのは難しいです。

そのため、太陽光発電と蓄電池を使い、電気を作り・蓄えることで収入として得るのではなく、負担軽減という新しいメリットを得ることができます。

「蓄電池のメリットをもっと知りたい!」「逆にもっと気をつけておくことはないの?」など、少しでも疑問がある場合はお気軽に「省エネプラス」へお問い合わせ下さい。

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