蓄電池の寿命は?長持ちさせるコツや寿命を迎えた後について
2019.12.19
家庭用蓄電池の購入を検討している場合
● 寿命はどのくらい?何年くらい使えるの?
● 寿命になったらどうなるの?
● 長持ちさせる方法ってあるの? など
家庭用蓄電池の寿命も気になると思います。
平均的な寿命の目安は、約15年程だといわれていますが、実はちょっとの工夫で長持ちさせて、寿命目安より長く使えたりもします。
そこで、今回は「家庭用蓄電池の平均寿命」や「長持ちさせる秘訣」などを紹介したいと思います。
~目次~
1、家庭用蓄電池の寿命はどのくらい?
1-1 継ぎ足し充電について
3、蓄電池の寿命は使い方でも変わる
3-1 蓄電池の寿命を延ばすコツ
4、家庭用蓄電池の寿命を縮める2つの原因
4-1 過充電と過放電には気をつける
4-2 熱と湿気がこもる場所へ設置しない
1、家庭用蓄電池の寿命はどのくらい?
家庭用蓄電池の場合、寿命をサイクル数で表すことが多く、1サイクルは「0%の状態から100%までフル充電して、再度0%まで使い切ってしまう」ことを1サイクルと呼びます。簡単に言うと、スマホの電池が切れた状態でフル充電をして再度、充電切れまで使うのが1サイクルと数えます。
メーカーや設置環境によって、蓄電池の寿命は異なりますが、家庭用蓄電池はリチウムイオン電池を使用しており、平均的寿命は約4,000サイクルといわれています。つまり0%から100%までのフル充電を4,000回繰り返したら、寿命として1つの区切りになるという意味になります。
そのため、4,000サイクルが平均寿命であれば、簡単に「約4,000回は充電できる」という判断ができます。
家庭用蓄電池の寿命目安である、約4,000サイクルに達する期間は、約10年~15年といわれていて、各メーカーの保証期間も10年~15年に設定しているメーカーが多いです。
参考までに各メーカーごとのサイクル数が、どの程度違うのかまとめてみました。
メーカー名 | サイクル数 |
---|---|
京セラ | 6,000サイクル |
シャープ | 8,000サイクル |
東芝・ソニー | 10,000サイクル |
各メーカーでサイクル数が異なることがわかるかと思います。
家庭用蓄電池の性能が向上し、平均寿命の目安である4,000サイクル以上を設定しているメーカーが多いです。
また、充電頻度や設置環境でもサイクル回数が長くなったり短くなったりするので、家庭用蓄電池は「約15年~20年が平均寿命」という認識のほうが、サイクル数で判断するよりも、寿命時期を把握しやすくなります。
1-1 継ぎ足し充電について
よく、電池残量残っているのに充電する「継ぎ足し充電は良くない」というのを聞いたことがある方も多いと思います。しかし家庭用蓄電池も含め、リチウムイオン電池を使用している製品を、常に使い切ってから充電するということは少ないのではないでしょうか?
確かに、充電回数が多ければ多いほど、蓄電池の寿命は短くなるといわれていますが、リチウムイオン電池を使用している家庭用蓄電池では「継ぎ足し充電」にそこまで神経質になる必要はありません。
「継ぎ足し充電」が良くないといわれているのは「メモリー効果」という現象が起きる「ニッケル水素電池」「ニッケルカドミウム電池」に限ります。
メモリー効果とは、充電を開始した時の電池残量を記憶する現象です。
記憶した残量になると電圧を弱めて、放電量を抑えるという現象がおきます。
そのため、電池残量が残っている状態でこまめに充電を繰り返すと、蓄電池がしっかりと放電できる容量を少なく記憶してしまいます。
一度でも電池残量を少なく記憶すると、記憶した場所を基準に充電が必要か否かを判断するので、結果的に充電できる容量が少なくなってしまうという現象がおきます。ですが、リチウムイオン電池では「メモリー効果」は起きないので「継ぎ足し充電のせいで、蓄電できる最大容量が減少する」という心配がありません。
とはいえ、充電・放電を繰り返すことで消耗はしていきます。
また、蓄電池のメーカーや設置環境によって、寿命が長くなる場合や、逆に短くなる場合もあります。
そのため、充電回数を少なくした方が良いことには変わりありません。
では、蓄電池は平均4,000回充電してしまえば、もう使えなくなるのでしょうか?
実は蓄電池の寿命と呼ばれるサイクル数を超えても使うことができます。
詳しくは次章で紹介します。
蓄電池の種類やメリットについて興味がある方は、以下の記事を合わせて読んでいただくことで、理解を深めることができます。
2、実は寿命を迎えた後も使うことは可能!
家庭用蓄電池の寿命は、約4,000回の充電で1つの区切りになると前章で前述しましたが、寿命を迎えたからといって、すぐに使えなくなるというわけではありません。
寿命を迎えた家庭用蓄電池は、蓄電容量が減少するものの充電と放電を行うことが可能です。
寿命による蓄電容量の減少率はメーカーによって異なりますが、約30%程度減少するといわれています。
つまり、メーカーが設定している寿命サイクルは「メーカーが基準にしている、蓄電容量が一定量より減少していく時期の目安」ということになります。
そのため、寿命を過ぎた家庭用蓄電池でも、蓄電容量が減少していることを除けば問題なく使うことは可能です。
しかし、電池自体充電すればするほど蓄電容量は少しずつ減少していくので、最終的には充電ができない状態になります。
また、蓄電池の寿命が過ぎたものを使用していると、劣化による部品の故障なども有りえます。
「半永久的には利用できない」ということは、理解しておかなければいけません。
3、蓄電池の寿命は使い方でも変わる
家庭用蓄電池の平均的な寿命は約10年~15年間が目安だと前述しました。
ですが、家庭用蓄電池の充電方法など何気ないことを少し意識するだけで、寿命が延びる場合もあります。
家庭用蓄電池の寿命を延ばすコツは
● 充電残量が残り半分(50%)程度で充電を行う
● フル充電状態を長期間維持しない
上記の2つです。
その理由について、以下で詳しく紹介していきます。
3-1 蓄電池の寿命を延ばすコツ
家庭用蓄電池で多く普及している蓄電池は、スマホやノートPCのバッテリーと同じ、リチウムイオン電池を採用しています。
リチウムイオン電池は、電池残量が50%を下回ると劣化するスピードが速くなるといわれているため、使い切る前に充電する方が蓄電池への負担が少なく、寿命が長くなりやすいです。
次に、フル充電状態を長期間維持しないほうが良い理由ですが、例えば風船を膨らませて放置しておくと中の空気が減り段々と小さくなります。それと同じで、蓄電池もフル充電したままにしておくと自然に放電して残量が減ってしまいます。
他にも携帯電話を機種変更、または新規契約をして新しい携帯の電源を入れたら、電池残量が少ない時がないでしょうか?
電池残量が減っている理由は、フル充電をせずに半分程度充電したまま保存していて、そこからさらに携帯電話のリチウムイオン電池自体が自然放電をしているので、電池残量が少なくなっています。
リチウムイオン電池は、電池残量が十分にある状態だと、すぐ使えるように高い電圧を維持しようとします。
そのため、充電された電気を使いながら、ずっと内部で電気を使っている状態なので、使おうとした時に残量が減っていることがあります。
つまり、電池残量がしっかりと残っている状態では、常に蓄電池が働いている状態なので蓄電池への負担も大きくなります。
そのため、リチウムイオン電池を使用している家庭用蓄電池では
● 電池残量が50%程度になったら充電
● 充電満タンの状態で長期間保存しない
上記の2つが、長持ちさせる秘訣になります。
4、家庭用蓄電池の寿命を縮める2つの原因
蓄電池の寿命を短くする原因になっているのは充電方法だけではありません。
設置環境や蓄電池をしばらく使用しない場合の保存方法などが重なって、寿命が短くなる場合もあります。
この章では、家庭用蓄電池の寿命を縮める原因について紹介します。
4-1 過充電と過放電には気をつける
前章の「家庭用蓄電池を長持ちさせる秘訣」でも紹介しました「必要以上の充電」に加え、「充電が切れた後の放置」にも気をつける必要があります。必要以上の充電を行うと、蓄電池に負担を与えてしまい、蓄電できる容量を減らしてしまう原因になります。
また、蓄電池内に電池残量がほとんどない状態を維持しておくと、これ以上放電させないようにと保護機能が作動してしまい、最悪「充電できないという状態」になることもあるので注意が必要です。
4-2 熱と湿気がこもる場所へ設置しない
蓄電池を設置する環境にも注意が必要です。
蓄電池は、湿度と熱に弱い装置なので、高温多湿になる場所に設置するだけで寿命を縮めてしまう原因になります。
特に、屋内設置タイプの家庭用蓄電池では、熱や湿気を上手く逃がせない場所へ設置してしまう場合も良くあります。
換気がしやすい場所に設置することを意識しなければなりません。
また、屋外に設置するタイプでも「夏場の日当たりの強さ」などを考慮して設置場所を検討する必要があります。
家庭用蓄電池のメーカーが設定している温度は、機種やメーカーによって異なりますが、-20度~40度の範囲を想定している機種が多いです。
などの、家庭用蓄電池に関する些細な不安や疑問がある方は、多くのメーカーを取り扱っていて、お客様の利用環境にコスト面や機能面のベストな蓄電池をご紹介している「省エネプラス」へお気軽にお問い合わせください。
4、まとめ
今回の要点をまとめると
● 蓄電池の寿命を表す単位は「サイクル」
● 蓄電池の寿命の目安は約10年~15年
● 蓄電池は、電池残量が50%程度で充電をする方が良い
● 充電満タンでの放置は、蓄電池の寿命を縮める。逆に残量が0%の状態も良くない
上記の4つになります。
家庭用蓄電池は決して安い買い物ではありません。
購入するからには、長く使い続けたいですよね。
家庭用蓄電池は、充電方法などを少し意識するだけでも寿命が延びる可能性が高くなります。
長持ちさせる秘訣は難しい方法ではないので、これから購入を検討している方は、蓄電池の寿命も検討材料にすることで、あなたのご家庭に合った最適な家庭用蓄電池を導入できるかと思います。
「家庭用蓄電池の寿命と性能から総合的に判断したい」「我が家に合ったメーカーや、家庭用蓄電池を紹介してほしい」という方は、お気軽に「省エネプラス」へお問い合わせください。
それぞれのご家庭に合わせた最適な家庭用蓄電池を探すお手伝いをさせていただきます。