家庭用蓄電池の容量とは?選び方と容量別の価格比較表
2020.06.03
「家庭用蓄電池の容量って、何を表しているの?」
「どれくらいの容量の機種を買えばいい?」
初めて家庭用蓄電池を購入するとき、疑問に感じやすいのが「家庭用蓄電池の容量」です。
容量は、家庭用蓄電池を選ぶ上で最も重要な基準のひとつです。容量に関する正しい知識を身に付けることは、最適な蓄電池を選ぶことにつながります。
そこで今回は、容量の基礎知識から機種選びのコツまで、家庭用蓄電池の購入前に踏まえておきたい容量の情報をわかりやすくまとめました。
最後までご覧いただければ「我が家にはどの程度の容量が必要なのか」を具体的に考えられるようになります。では、さっそく見ていきましょう。
~目次~
1. 家庭用蓄電池の容量とは?
1-1. 家庭用蓄電池の容量は「kWh」の単位で示されている
1-2. 「1kWh」で何を何時間使える?
1-3. 蓄電池の容量は「停電時にどれくらいの電力量が必要か」で決める
4. 【容量別】家庭用蓄電池の機種と価格比較表
4-1. 蓄電容量6kWh以下
4-2. 蓄電容量6〜10kWh
4-3. 蓄電容量10kWh以上
1. 家庭用蓄電池の容量とは?
まず「家庭用蓄電池の容量とは何なのか?」について、その意味を解説します。
1-1. 家庭用蓄電池の容量は「kWh」の単位で示されている
家庭用蓄電池のカタログを見ると、各製品のスペックが記載されているかと思います。
その中で、「●●kWh」と記載されているのが、家庭用蓄電池の容量です。
出典:ニチコン
kWhは「キロワットアワー」と読み、1時間に消費する電力量を示しています。
もし蓄電池のカタログに「蓄電容量:1kWh」と表示されていたら、「1時間に1kW消費する分の電気をためられる蓄電池」という意味になります。
1-2. 「1kWh」で何を何時間使える?
では、「1kWh」とは具体的にどの程度の電力量なのでしょうか。
「1kWh=1000Wh」と置き換えると、イメージしやすくなります。
「W(ワット)」は、100Wの電球、500Wの電子レンジ、1,200Wのドライヤー…など、普段からなじみのある単位かと思います。
参考までに、主な電化製品の消費電力の目安は、以下の通りです。
エアコン | 300~3000ワット |
電気ポット | 900~1300ワット |
ファンヒーター | 10~450ワット |
洗濯機(洗濯時) | 200~400ワット |
電気ポット | 900~1300ワット |
冷蔵庫 | 100~300ワット |
テレビ(プラズマ) | 300~500ワット |
テレビ(液晶) | 100~200ワット |
炊飯器 | 100~300ワット |
ノートPC | 50~100ワット |
電気毛布 | 50~80ワット |
例として、300Wの冷蔵庫が、容量1kWh(=1000Wh)の蓄電池で何時間、稼働できるか計算してみましょう。
1000Wh ÷ 300W = 3.3時間
ここから、「1kWhの容量は、300Wの冷蔵庫を3.3時間動かす分の電力」ということがわかりました。
1-3. 蓄電池の容量は「停電時にどれくらいの電力量が必要か」で決める
実際に、購入する家庭用蓄電池の容量を決めるときには、「停電時にどれくらいの電力量が必要か」を基準にします。
前項では、簡単に「300Wの冷蔵庫」で計算しましたが、現実的には、
・必要最低限の照明:100W
・食料を確保するための冷蔵庫:300W
・情報を得るためのテレビ:200W
合計:600W
…という具合に、各家庭によって必要なワット数を計算します。
上の事例では必要な電力の合計が600Wですが、この600Wに継続して使い続けたい「時間」をかけると、必要な容量(kWh)が計算できます。
例えば「600Wの電力が12時間必要」なのであれば、
600W × 12時間 = 7.2kWh
となり、購入すべき蓄電池の容量は「7.2kWh」が答えとなります。
2. 家庭用蓄電池の標準容量の目安は「7kWh」
必要な容量を計算し、蓄電池の機種を選ぶ上で気になるのは、「他の家庭では、どの程度の容量を選んでいるの?」という点ではないでしょうか。
日本電機工業会自主統計によれば、2019年度上半期に出荷された定置用LIB蓄電システムの平均容量は7.01kWhです。
「定置用LIB蓄電システム」とは定置式のリチウムイオン蓄電池のこと。一般的にいう「家庭用蓄電池」を指すと捉えて差し支えありません。
さらに内訳を見てみると、半数近くの人(46.3%)が6〜10kWhの容量を選んでいることがわかります。
出典:日本電機工業会自主統計を元に作成
逆に、10kWh以上の容量を選んでいる家庭は1割程度と少ない状況です。
ここから推測すると、一般的な家庭であれば6〜10kWhの容量の範囲内で蓄電池を選んでおけば妥当と考えられます。
3. 太陽光と併用:併用しないなら容量は大きめがおすすめ
家庭用蓄電池を選ぶ上で、ひとつ注意したい点があります。
それは、
● 太陽光発電と併用する家庭
● 太陽光発電と併用しない家庭
では、選び方のポイントが異なるということ。
太陽光発電がない家庭では、蓄電池の容量は大きめを選んでおくのがおすすめです。
というのは、太陽光発電の有無で、停電時の家庭用蓄電池の役割が異なってくるからです。下の表をご覧ください。
▼ 停電時の家庭用蓄電池の役割
○あり | ・昼間に太陽光発電した電力をためる ・太陽光発電できない夜間の電力をまかなう |
×なし | ・停電解消するまでのすべての電力をまかなう |
太陽光発電と併用するのであれば、「昼間の太陽光発電した電気+蓄電池」でやり繰りができるので、必ずしも大容量の蓄電池は必要ありません。6〜8kWh程度の容量を選ぶ方が多くなっています。
一方、太陽光発電がない場合は、停電が解消するまで、蓄電池にためておいた電気だけで耐えなければなりません。
災害時の安心を考えると、予算の許す限り大容量の蓄電池を選びたいところです。具体的には、9〜12kWh以上の容量がおすすめです。
4. 【容量別】家庭用蓄電池の機種と価格比較表
ここまでお読みいただき、どの程度の容量にすれば良いか、目星が付いてきたのではないでしょうか。
ここで、容量別にどんな選択肢があり、価格はどれくらいなのか、確認しておきましょう。
4-1. 蓄電容量6kWh以下
蓄電容量6kWh以下の主な機種はこちらです。
実際に使える電気量のイメージは、下の図をご覧ください。
出典:シャープ
シャープでは、容量4.2kWhで「冷蔵庫24時間・テレビ3時間・照明5時間・スマホ充電1台分」が3日以上使用可能と試算しています。
停電をしのぐためには、必要最低限の電力量といえるでしょう。
4-2. 蓄電容量6〜10kWh
蓄電容量6〜10kWhの主な機種はこちらです。
実際に使える電気量のイメージは、8.4kWhの場合、下の図をご覧ください。
出典:シャープ
前述の4.2kWhで使える「冷蔵庫24時間・テレビ3時間・照明5時間・スマホ充電1台分」に、「電気ケトル3回・炊飯器1回・扇風機6時間・スマホ充電2台分」が加わって3日以上使用可能となります(シャープの試算)。
このくらいの容量があると、気持ち的は随分と安心感が違いますね。
4-3. 蓄電容量10kWh以上
蓄電容量10kWh以上の主な機種はこちらです。
この中で最も容量の多い16.6kWhであれば、前項でご紹介した8.4kWhの約2倍の量になります。
8.4kWhでは、「冷蔵庫24時間・テレビ3時間・照明5時間・スマホ充電1台分」に、「電気ケトル3回・炊飯器1回・扇風機6時間・スマホ充電2台分」が加わって3日以上使用可能でしたが、これが6日以上使用可能になる計算です。
台風などの災害により長期間の停電被害が起きたとしても、しっかり備えられる容量といえます。
「家族のために災害対策をきちんとしたい」とお考えの方にも、ご満足いただける容量です。
なお、上記に記載されている価格は、定価(参考価格)となります。
安価で蓄電池を購入する場合は下記をご覧頂きお問い合わせ下さい。全メーカー取り扱っています。
5. 容量の決め方がわからないときは専門家に相談を
「我が家に合う容量・機種はどれなのか、悩んでしまう」という方もいらっしゃるかもしれません。
そんなときはぜひ、家庭用蓄電池の専門家である省エネプラスにご相談ください。
家庭用蓄電池の容量以外の諸条件も織り交ぜながら、あなたのご自宅にピッタリ合う家庭用蓄電池はどれなのか、お答えさせていただきます。
6. まとめ
家庭用蓄電池の容量とは「kWh」の単位で表され、どれくらいの電力量をためておけるかを示しています。
購入する蓄電池の容量を決めるときに指標となるのは、「停電時にどれくらいの電力量が必要か」です。
例えば、「600Wの電気を12時間使えるようにしたい」という場合には、
600W × 12時間 =7.2kWh
と計算すれば、「7.2kWhの容量の蓄電池が必要」ということがわかります。
実際に出荷されている家庭用蓄電池の容量は平均7kWhほどとなっており、半数近くの人は6〜10kWhの容量を選んでいます。
ここから、一般的な家庭であれば、6〜10kWhの容量をまず検討し、さらに安心がほしい場合にはさらに大容量を検討すると良いでしょう。
太陽光発電と併用するなら、必ずしも大容量は必要ありません。停電時には、太陽光発電+蓄電池でやり繰りができるからです。
逆に太陽光発電がない場合は、停電時には家庭用蓄電池の電気だけで耐える必要があります。できるだけ大容量を選んだ方が安心です。
また本文中では、容量別に家庭用蓄電池の機種と価格をご紹介しました。
詳しくは、専門家目線からの助言が役立ちます。ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。