最適な蓄電池の容量について計算方法やオススメの機種を紹介
2020.03.26
蓄電池を検討する際に、一つの目安として見られるのが蓄電池の容量ですよね?
蓄電容量は「10kWhと大容量!」などの表示を一度は目にしたことがあると思います。
ですが、蓄電池の容量は2kWh~16kWhと幅広くあるため● どれくらいの容量が最適なの?
● そもそも1kWhで、どのくらいの時間使えるの?
● 他の人はどのくらいの容量を購入しているのだろう?
など、蓄電池を選ぶ際には色々な疑問が出てくると思います。
特に○kWhで、使える時間を把握できないまま導入してしまうと、停電時に「使える時間が予想より短すぎる・・・」と後悔してしまうかもしれません。
家庭用蓄電池は良い商品なので、家庭環境に合っていない蓄電容量を選んでしまっては勿体無いです。
そこで当記事では、蓄電池を選ぶ際の一つの基準である、蓄電容量について詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、ご家庭に合った最適な蓄電池を選ぶことができるようになります。
ぜひ最後までお付き合いください。
~目次~
1、蓄電池の容量はkWhで表示される
1-1.kWとkWhの違い
2、蓄電池の容量の目安は?
2-1.最適な蓄電池の容量を計算する方法
2-2.容量が7~8kWhの蓄電池が一般家庭での目安
3、蓄電容量別おすすめ蓄電池の紹介!
3-1.一日2サイクルの充電で8.4kWhの蓄電池相当「KPAC-Bシリーズ」
3-2.容量の大きさで選ぶなら大容量の「ESS-U2Mシリーズ」
1、蓄電池の容量はkWhで表示される
まず、家庭用蓄電池の容量を解説する前に前提知識として、蓄電容量の「単位」について紹介します。
カタログやパンフレットで、家庭用蓄電池の容量と記載されている部分を見ると、kWh(キロワットアワー)と呼ばれる単位で記載されていると思いますが、kWhは電力量を示す単位のことです。
つまり、家庭用蓄電池でのkWhは電気を貯めておける容量になります。
ちなみに少し細かいことをいうと、1kWは1,000Wです。
記載されている数字が5kWhや、7kWhと大きくなればなるほど、蓄電できる電気量も多くなるので1回の充電で使える時間も長くなるという訳です。
また、kWhと似た単位にkW(キロワット)と呼ばれるものがあります。
kWhとkWは単位の名前は似ていますが、それぞれ違う意味があるので注意が必要です。
kWhとkWの違いについても少しみてみましょう。
1-1.kWとkWhの違い
kWh(キロワットアワー)とkW(キロワット)を一言で表すと次のようになります。
● kW=その製品が出せる力の大きさのこと(電力を表す)
● kWh=どれだけの電力で、どれくらいの時間動いたか(電力量を表す)
下の画像のように、よく「水道から出る水の量」と「出た水を貯めているタンク」などで、それぞれの違いを例えていることが多いです。
水道の蛇口から出る水の量が、蛇口(製品)が出せる力、つまり電力(kW)になります。
タンクに溜まる水が、水道が消費または貯めた電力量です。
例えばですが、水道の蛇口からでる水の量(電力)が1,000ミリリットル/時間なら、3時間水を出し続けたら消費した水の量(電力量)は3,000ミリリットルになりますよね?
これを、家庭用蓄電池のkWとkWhに当てはめると次のようになります。
● 1時間で1,000W(1kW)を出せる力がある製品
● 3時間連続で使った場合は、3,000W(3kWh)の電力を消費または蓄電している
電気出力が1kWの家電製品を8時間使いたい場合は、容量が8kWhの家庭用蓄電池を導入すれば実現することができます。
「水と電気の単位が違うよ?」という細かい部分については、今回は触れないでくださいね。
kWとkWhは蓄電池と付き合っていく上で、頻繁に耳にする言葉になります
「kWは出せる力」「kWhは貯めるまたは消費する量」という感じで、覚えておくと良いでしょう。
蓄電池の容量を調べるための前提知識はこれくらいにして、次の章からは一般家庭で「良く選ばれる蓄電容量の目安」や「蓄電容量から電気を使える時間の計算方法」などを解説していきますね。
2、蓄電池の容量の目安は?
蓄電池の容量はポータブル発電機など小型蓄電池を含めると、2kWh~16kWhと幅広い容量の蓄電池がたくさんあります。
「迷ったら大容量の蓄電池を選べば問題ない」といってしまえば確かにそうですが、最初に「太陽光発電システムと併用して使うかどうか?」を検討してみるのが良いかもしれません。
● 太陽光発電と併用しないなら少し容量が大きい蓄電池を
● 太陽光発電との併用を検討しているなら、6kWh~8kWhの蓄電池を
太陽光があれば、昼間に発電した余剰電力を蓄電池へ充電することができるので、大容量の蓄電池を導入せずとも、長期間の停電にも耐えることが可能です。
しかし太陽光発電と併用しない場合は、停電中に蓄電池の充電ができません。
そのため、大容量の蓄電池を導入しておくことで、停電期間が数日であればやり過ごせます。
蓄電池を選ぶ場合は「どのくらいの容量を求めるか?」は「停電時にどの家電を何時間ほど使いたいのか?」を把握して、蓄電池を選ばないといけません。
ちょっと難しく聞こえますが安心してください。最適な蓄電容量を求める簡単な計算方法があるんです。
次の章で詳しく解説していきます。
2-1.最適な蓄電池の容量を計算する方法
蓄電池の容量を求める計算方法は次のようになります。
● 「(使いたい家電の合計消費電力)×利用したい時間=蓄電池の容量」
具体例で計算してみましょう。
例えば、テレビ(100W)・照明(100W)・冷蔵庫(50W)・ファンヒーター(30W)を、最低でも24時間使いたいというご家庭の場合で計算してみます。
● 280W(使いたい家電の合計)×24時間(使いたい時間)= 6,720W
● 1kWh=1000Wなので6,72kWh
上記のような計算方法で、大体ですがご家庭に合った蓄電池の容量を求めることができます。
家電製品の消費電力さえわかれば、簡単に計算することができるので、ぜひ試してみてください。
また、家電製品の消費電力ですが、表を用意しました。計算するときの参考にしてみてください。
我が家に合った蓄電池の容量を計算する場合、まずは停電時に使いたい家電を決めておきましょう。
停電はすぐに復旧する場合もあれば、数日続く場合もあるので、いつも通りに電気を使おうとは思わずに、できるだけ必要な家電だけに絞るのが良いでしょう。
2-2.容量が7~8kWhの蓄電池が一般家庭での目安
蓄電池を検討する際に「他の人は何kWhの容量を選んでいるの?」と思ったことはありませんか?
家庭ごとに必要な容量は違うとわかっていても、他の人が選んでいる蓄電池の容量も気になるものです。
上の棒グラフはJEMA日本電気工業会が、出荷されている家庭用蓄電池の平均容量を2012年~2019年までをデータ化したものになります。
黄色の棒グラフが家庭に設置される蓄電池のデータです。
黄色の棒グラフをみてみると、7kWh~7,8kWhの蓄電池に需要があるようですね。
7kWhの蓄電容量を持つ蓄電池を導入しているご家庭が多いことがわかります。
3、蓄電容量別おすすめ蓄電池の紹介!
蓄電池の容量についての知識を覚えてきたところで「どんな商品があるのだろうか?」と気になりませんか?
実際に商品を見ることで、新しい発見も生まれてくるものです。
そこでこの章では、弊社で多くお問い合わせ頂いている人気蓄電池を、容量別に紹介したいと思います。
3-1.一日2サイクルの充電で8.4kWhの蓄電池相当「KPAC-Bシリーズ」
出典:omron(オムロン)
価格:約1,500,000円(工事費込み)
蓄電池自体の容量は4.2kWhと「少し少ないかな?」という印象をうけますが、一日2回フル充電をすることで、実質8.4kWh相当の性能を持っている蓄電池です。
昼間に電気をあまり使わないご家庭には、おすすめの蓄電池になります。
例えば、以下のような使い方でお得に使うことができます。
● 電気料金が安くなる夜の時間帯に充電をして、朝使う電気は蓄電池へ貯めた電気を使う
● 昼間に太陽光で充電する
● 太陽光で充電して蓄電池へ貯めた電気を夜に利用する
上記のように、一日2回充電を繰り返すことで8.4kWh相当の蓄電容量を利用することができます。
他にも、太陽光発電との併用で夜間の安い時間帯に充電を行うため、割高になる日中の電気を使用する量が少なくなります。そのため、電気代の節約という経済的メリットも得やすくなります。
また「KPAC-Bシリーズ」は長寿命設計となっており、何回充電しても15年後の蓄電容量は、70%以上が保証されているのです。
出典:omron(オムロン)
通常、蓄電池は使用期間が長くなるほど充電できる容量が減ってしまいます。
スマホをイメージすると、わかりやすいかもしれません。
新品で購入した場合と1年・2年使った場合では、充電の減り方が違いますよね?
1年・2年使用したスマホだと「充電が1日持たない」という経験をしたことがある方も多いと思います。
しかし「KPAC-Bシリーズ」では、15年後も蓄電容量70%以上が保証されているので、末永く使い続けることができます。
3-2.容量の大きさで選ぶなら大容量の「ESS-U2Mシリーズ」
出典:nichicon(ニチコン)
価格:約1,600,000円(工事費込み)
蓄電池の容量は11.1kWhと非常に大容量の蓄電池です。
また容量が大きいだけではなく、急な停電に備えて常に3.3kWh(30%)は使わずに、自動的に蓄電池へ保存しておいてくれる賢い蓄電池になります。
自動的に使わずに保存する量は、お客様の方で設定を変更することができるので、20%・50%と環境に合わせて好きなように設定を変更することも可能です。
いつくるかわからない停電に、常に備えておける心強い蓄電池になります。
また4つの運転モードから、日々のライフスタイルに合わせて「余剰電力の売電を優先」したり「発電・充電した電気を全てご家庭で利用」したり、電気運用の方法を切り替えることも可能です。
4、まとめ
最後に、今回の蓄電池容量についてのおさらいです。
● 太陽光と併用するなら少し容量が小さくても大丈夫
● 太陽光と併用しないなら少し容量が大きい蓄電池を選ぶ
● 最終的には「どの家電を何時間使うか?」計算して蓄電池を選ぶ
蓄電池の容量を計算するというと難しいイメージがありますが、意外と簡単なのはおわかりいただけたと思います。
蓄電池は電気代が安くなるという経済的なメリットもありますが、最も重要視されるのは、災害時にも安心して電気が使えるか否かの部分です。
そのためには必要な容量を計算して、ご家庭に合った蓄電池を選ばないといけません。
この記事で覚えたことが蓄電池選びの助けになれば幸いです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。