家庭用蓄電池の価格相場と設置費用について紹介!
2020.01.17
災害時の停電対策として、また太陽光発電システムを利用されているご家庭では発電した電力を蓄える為に、家庭用蓄電池の注目度は高くなっています。近年では蓄電池の種類も増え、ご家庭の状況に合わせた選択肢も増えてきました。
そこで実際に導入するには、蓄電池本体の価格相場も含め、どれくらいの費用がかかるのか解説していきます。
~目次~
1、家庭用蓄電池の種類とそれぞれの価格相場
1-1 リチウムイオン電池
1-2 ニッケル水素電池
1-3 鉛蓄電池
2、電池容量やサイクル数、メーカーによる価格の違い
2-1 蓄電容量による価格の違い
2-2 蓄電容量による価格相場とメーカーによる違い
3、蓄電池の設置費用や工事費用、その他費用について
3-1 設置工事の費用相場
3-2 電気工事の費用相場
3-3 消費税も忘れずに
3-4 補助金が出る場合もある
1、家庭用蓄電池の種類とそれぞれの価格相場
蓄電池と呼ばれるものにはいくつもの種類があり、それぞれに異なるメカニズムと用途があります。
中でも家庭用に使用されている蓄電池には、以下の3つが挙げられます。
● リチウムイオン電池
● ニッケル水素電池
● 鉛蓄電池
それぞれ価格相場が異なるので、詳しく押さえていきましょう。
1-1 リチウムイオン電池
リチウムイオン電池はモバイル製品のバッテリー等にも使用されて、とても身近な充電池と言えます。
過充電・過放電に弱く、安全性の確保や電圧を管理する必要があり、コストも高くなります。しかし小型で軽く、容量や寿命の点でも優れており、メモリー効果がある為、近年では主流とされている蓄電池です。
1kWhあたり20万円が相場です。
1-2 ニッケル水素電池
リチウムイオン電池が主流になる前によく使用されていたのが、ニッケル水素電池です。
使用していないのに内蔵電力が減少したり、メモリー効果が起きるなどの問題がありますが、使用できる気温の範囲が広いことから充電式乾電池やハイブリッド自動車など、まだまだ家庭用に使用されています。
リチウムイオン電池に比べ過充電・過放電に強く、安全性が高いため、子供のいるご家庭でも安心して使用でき、コストも比較的低めなのが特徴です。
1kWhあたり10万円が相場です。
1-3 鉛蓄電池
決して主流ではありませんが、自動車のバッテリー等に使用される鉛蓄電池も、家庭用として使用されることがあります。
電解液に硫酸を用いている為、破損時に注意しなければなりません。寒冷地では硫酸の凍結による破損の可能性もある為、使用時には注意が必要です。また大型で重量もあるため、設置にはスペースの確保が必要です。
しかし、2つの蓄電池に比べると、コストを格段に低く抑えられます。寿命は蓄電池の中でも大変長く、充放電の回数が劣化に影響する事がなく、メモリー効果もありません。
1 kWhあたり5万円が相場です。
2、電池容量やサイクル数、メーカーによる価格の違い
蓄電池の種類による特徴やコストの差異をご紹介しましたが、性能やメーカーによっても大きく金額が違います。
電池容量の小さいポータブルタイプの蓄電池であれば、数十万円のものもありますが、ご家庭全体の電力をまかなうには電池容量の大きい据え置き型が必要です。
据え置き型の電池の場合、本体価格は基本的に100万円以上、高額なものだと200万から300万円以上になることもあります。
実際にどの程度違ってくるのか詳しく見てみましょう。
2-1 蓄電容量による価格の違い
蓄電池の寿命を示すサイクル数や保証内容によっても価格は異なりますが、中でも価格に大きく影響するのが蓄電容量です。
蓄電容量は蓄電池の稼働時間に直結し、災害等で停電が起きた時には、その容量が大きいほど長時間電力をまかなえます。そのため蓄電容量が大きくなると、それに応じて価格も上がるのが一般的です。
例として、シャープのクラウド蓄電池を挙げてみましょう。
4.2kWhの商品は約180万円で、8.4kWhの商品は約290万円で売られています。
容量が2倍になったことにより、価格も2倍ではありませんが、1.6倍程上がっているのがわかります。
また、蓄電池の価格相場は最低でも100万円からだと前述しましたが、それは蓄電容量が4kWh以上の場合です。
容量はかなり少なめですが、1kWhの家庭用蓄電池も販売されており、40万円程度で購入することができます。
このことからも、蓄電容量と価格の関連性が示されています。
2-2 蓄電容量による価格相場とメーカーによる違い
では実際のところ、蓄電容量ごとの価格相場はどの程度なのでしょうか?
家庭用に導入される蓄電池は、4~7kWhのものが一般的です。
4kWhの蓄電池であれば、税抜90万円から100万円ほどで購入できます。
ただし、メーカーによっては200万円以上で売られているので、100万円近い振れ幅があります。また、人気のある6.5kWh前後の蓄電池は、230万円から270万円くらいの価格で売られています。
少し容量が大きめの8~10kWhになると、300万円あたりが価格相場になり、それ以上の容量になると400万円近い商品もあります。
このように、ある程度の価格相場がわかりますが、4kWhの蓄電池の例のように、メーカーによっては価格のずれが生じることもあります。
お客様に合った蓄電池の選び方や計算方法、具体的な機種の金額など、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
3、蓄電池の設置費用や工事費用、その他費用について
蓄電池を家庭に導入する際にかかる費用は、本体価格だけではありません。
蓄電池を設置するには組み立てや基礎工事が必要であり、その際にも費用が発生します。
また、配線作業や電気系統の工事にも費用がかかるので、トータルのコストを考慮することが重要です。
3-1 設置工事の費用相場
蓄電池を設置する場所は、基本的に直射日光があたらない涼しい場所となります。
電気容量の大きい蓄電池になるほど、設置のための広いスペースが必要で、特に鉛蓄電池の場合はかなりのスペースを使います。
また、屋内設置と屋外設置の2つがあり、それぞれ費用が異なります。
屋外設置ではコンクリート基盤の打ち込み等も行われ、蓄電池の重量が上がればその分費用も上がります。
設置工事を終えた後に電気工事が行われるため、全工事セットで費用相場を算出します。
3-2 電気工事の費用相場
蓄電池の設置後に行われる電気工事は、蓄電池を使用可能な状態にするために行われる工事です。
電気系統の工事内容として、主に下記のものが行われます。
● 電気の貯蓄、供給のための配線工事
● 液晶モニターの連動のための配線工事
これらの内容は蓄電池の種類、設置場所等の条件によって異なり、その他の特殊な配線工事が必要な場合もあります。
特に、既に設置してある太陽光発電との併用を行う場合は、接続のための工事に別途費用がかかることに注意しましょう。
他にも業者による違い等、多少の変動はありますが、工事全体の費用相場は20万円から30万円と言われています。
3-3 消費税も忘れずに
上記以外にかかる重要な諸経費として、増税で影響力の増した消費税が挙げられます。
本体価格が100万円以上する家庭用蓄電池の場合、消費税の額も10万円以上、商品によっては30万円から40万円となり、無視できる額ではありません。
本体価格、各種工事の費用に加え、消費税も併せたトータルコストを考慮しておきましょう。
導入のためのトータルコストが予算を超える場合は、条件によってローンを組める場合もあります。
3-4 補助金が出る場合もある
家庭用蓄電池の種類や細かい条件もありますが、蓄電池の導入の際に補助金が出る場合があります。
全国共通の補助金が、一般社団法人の環境共創イニシアチブによって出される補助金です。
平成31年度には、災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金という名前で申請が募集されました。
太陽光発電システムを導入していること等の条件はありますが、最大で60万円までの補助を受けることができます。
今後もこの補助金が出続けるかは不透明ですが、これとは別に地方自治体独自の補助金も存在します。都や県によって補助金額や条件が違うので、蓄電池購入の前に内容をチェックしておきましょう。
補助対象に入っていれば、コストを削減することができます。
4、まとめ
以上の事から今回の要点は
● 家庭用蓄電池の現在の主流はリチウムイオン電池
● 蓄電池の価格に一番影響を与えるのは容量の違い
● 設置には本体価格だけではなく、設置・電気工事や消費税などの諸経費がかかる
家庭用蓄電池は、本体価格だけでもかなり高額な商品です。
相場よりも安い蓄電池や太陽光発電システムとのセット販売で安くなるケースもありますが、最低でも100万円以上かかるのが普通です。
また、メーカーによって価格が大きく違うケースもあるので、購入時にはメーカーごとの相場を把握しておきましょう。
もう一つ重要な点として、蓄電池を導入の際には屋内外への設置費用や電気系統の工事費用も支払わなければいけません。
設置条件にもよりますが、本体価格とは別途20~30万円の支払いが相場だと言われています。初期費用が高額なため、国や自治体による蓄電池導入の補助金が出ることもあります。
上手く活用できれば相場より安く蓄電池を導入できるので、ぜひチェックしておきましょう。
この記事を読んで「自分の家庭にはどのくらい容量が必要?」「どのようなメーカーや製品があるのか、もう少し詳しく知りたい!」など蓄電池に関して疑問や興味がある方は、ぜひ「省エネプラス」へお気軽にお問い合わせ下さい。